どうも、くまの助です。2人の子どものおやじやってます。
突然ですが、
みなさん育メンしてますか〜?!
(もしくは、旦那さんは育メンですか〜?)
女性の社会進出が叫ばれている今、父親の育児参加は当たり前。
おやじが茶の間でふんぞり返ってる時代は終わったんですよぉぉぉ!
・・・とは言え、未だに世の中の奥様方が「夫は全然家事・育児やらない」と不満たらたらの愚痴をこぼしているのを耳にしたりもします。
実際、こないだ見た池上彰さんの番組で、「日本の男性の育児をする時間は世界的に見ても最低レベルである」、みたいな話を聞きました。
くまの助
子ぐま
そんなわけで、これからも一層父親の育児参加が求められそうな世の中です。
どうせ育児をがんばるんなら、
パパががんばるからこそ子どもにいい影響がある!
と思いながらやった方がモチベーションも湧きますよね?
というわけで、この記事では、父親が育児参加することのメリットを示す科学的な実験を調べてたのでご紹介します!
本記事の内容
父親の子育て参加が子どもを賢くする
父親が育児参加することのメリットを示す研究はいくつかあります。
その結果から、
父親が子どもにしっかり関わると、子どもの認知能力や非認知能力にポジティブな影響がある
ということがわかっています。
これは、子育てをがんばろうと思っているパパにとってはうれしい話ですね!
そんな研究について、いくつか内容をご紹介します。
父親が男の子の勉強を見ると効果が高い
父親が子ども(特に男の子)に対して勉強を見ると、子どもの勉強時間が増えたという研究結果があります。
この実験は、父親と母親それぞれの関わり方が、どの程度子どもの勉強時間の増加に寄与するかを調べた、というものです。
実験では、親による子どもの勉強に対する関わり方として、
- 勉強したか確認している(Confirms that the child studied)
- 勉強を見ている(Watches the child study)
- 勉強する時間を決めて守らせている(Makes the child adhere to set study times)
- 勉強するように言っている(Tells the child to study)
の4つに分け、それぞれの効果(子どもの勉強時間)を調べました。
その結果は以下の通り。
出典:More Time Spent on Television and Video Games, Less Time Spent Studying?
左のグラフが「母親が子どもを見た場合」の結果、右のグラフが「父親が子どもを見た場合」の結果を表しています。
まず、母親・父親ともに、
- 勉強を見ている(Watches the child study)
- 勉強する時間を決めて守らせている(Makes the child adhere to set study times)
の関わり方をした場合が効果が高い(子どもの勉強時間が伸びた)傾向でした。
逆に、
- 勉強するように言っている(Tells the child to study)
- 勉強したことを確認している(Confirms that the child studied)
はあまり効果がなかったり、場合によっては逆に勉強時間が減ってしまったという結果でした。
そして、上記の実験の中で最も効果が高かった(一番勉強時間が伸びた)のは、
父親が男の子に対して「勉強を見ている」の関わり方をした場合
だったのです!
これは、母親のどんな関わり方よりも高い効果を出しています。
一方、女の子に対しては、母親が「勉強する時間を決めて守らせている」の関わり方をした場合が1番効果がありました。
くまの助
ちなみに、こちらの論文は、「「学力」の経済学」という本の著者である中室 牧子氏らが書いたもの。
学力の経済学で詳しい実験の様子が紹介されているので、興味がある方は本書をあたってみると良いでしょう。
「学力」の経済学 /ディスカヴァ-・トゥエンティワン/中室牧子
父親が子どもの認知能力・非認知能力を伸ばす!
父親と子どもの関わりが、子どもの認知能力や非認知能力を伸ばす、ということを示す研究がいくつかあります。
メリーランド大学のNatasha Cabreraらが行った実験によれば、父親の子どもへの関わりが強いほど、子ども情緒に関するスコアや認知能力に関するスコアが高かった、ということが報告されています。
モントリオール大学のDaniel Paquetteの研究によれば、幼児時代に父親と活発な遊びをした子どもほど、不慣れな環境でも果敢に挑戦する傾向が見られた、とのことです。
1958年に生まれた11,000人のイギリス人男女を追跡調査した実験によれば、父親と多く時間を過ごした子どもは、11歳時点でのIQが高く、42歳時点での社会的地位が高かったそうです。
出典:Why do some dads get more involved than others? Evidence from a large British cohort
(紹介記事:Fatherly contact and child intelligence)
上記の研究はいずれも、父親と子どもと遊んだり一緒に時間を過ごすことが、IQなどの子どもの認知能力を伸ばすことを示唆しています。
さらに、チャレンジ精神や情緒安定性といった非認知能力にも寄与していることが伺えます。
くまの助
父親の育児参加によって子どもの問題行動が減る
父親の育児参加の効果は、子どもを賢くするだけではありません。
「夫婦関係の良し悪しが、子どもに影響を与える」という研究結果がいくつかあります。
夫婦げんかをすると子どもの脳に悪影響を与える
Nicholas D. Walshらの研究によれば、夫婦げんかなど子ども時代の逆境が、子どもの小脳の灰白質が減少させるそうです。
要は、夫婦げんかを頻繁に見せられるなどの幼少期の辛い経験が、子どもの脳を変形させてしまうという恐ろしい話ですね・・・。
なお、小脳の灰白質の減少は、情動障害、統合失調症、自閉症などの発症に関連するそうです。
出典:General and specific effects of early-life psychosocial adversities on adolescent grey matter volume
母親が父親を信頼しているほど、子供が問題行動起こしにくくなる
上の研究とも近しいですが、ママのパパへの信頼が子どもの問題行動と関係している、とした研究もあります。
国立精神・神経センターの菅原ますみらが行った研究によれば、対象児童約400名について11年間の追跡調査を行ったところ、良好な父親の養育態度や母親の父親に対する信頼感などが良好であるほど、10歳時の子どもの問題行動が起こりにくかったそうです。
これらの研究は、父親と子どもの関係だけでなく、「パパとママが良い関係を築けているか?」が子どもに間接的に影響することを示しています。
普通に考えると、育児をママに任せきりにするより、パパも子育てに関わって負担を分散したほうが、夫婦仲は良くなるはずですよね?
なので、言い換えると、
父親が育児参加する →家庭の雰囲気が良くなって、子どもの問題行動が抑止される
ということになるかと思います。
くまの助
まとめ:父親の育児参加はメリットが大きい!
というわけで、父親が育児に関わることのメリットをご紹介しました!
まとめると、
- 父親が子どもと関わることで、子どもの認知能力・非認知能力が高まる
- 父親の育児参加によって、子どもの問題行動が減る
といった効果があります。
パパが育児に参加して子どもと関わることは、まさにいいことずくめですね!
なので、パパは家庭に全力コミットするべき!
パパが家事や育児に関わることで、ママのストレスが軽減されて夫婦げんかは減るでしょうし、ママからより頼りにされるでしょう。
そして、しっかり時間をとって子どもと遊ぶようにする。そうすれば、きっと子どもの知性や社会性はぐんぐん育っていくでしょう!
くまの助
父親の育児についての本
余談ですが、いくつか育児書を読んでおくと、どういう視点で子どもに接したら良いのがわかって参考になります。
以下、おすすめの本をご紹介します!
「戦略子育て」は、元BCGのコンサルタントだった三谷宏治氏が書いた本です。
これからのAI時代を見据えて、どういう子育てをしたら良いかが書かれています。
父親目線での子育てについて書かれた育児書は意外と少ないのですが、本書では著者が3人の娘を育て上げた実体験が紹介されており、参考になります!
もう1つ、「「学力」の経済学」という本もおすすめですね。
本書では、
- ゲームは子どもに悪影響を与える?
- 教育にはいつ投資するべき?
- 子どもをご褒美で釣ってはいけない?
といった身近な話題について、科学的根拠(エビデンス)に基づいてどうするべきかをとても丁寧に説明しています。
上でも紹介した、「父親が子どもの勉強を見ると勉強時間が伸びた」という実験の様子が紹介されているので、興味がある方は本書をあたってみると良いでしょう!
「学力」の経済学 /ディスカヴァ-・トゥエンティワン/中室牧子
非認知能力を伸ばす
特に近年注目されているのが、子どもの非認知能力です。
非認知能力は、
やる気、粘り強さ、コミュニケーション能力
といったものを指し、社会的な成功に大きく影響すると言われています。
父親との関わりで、子どもの非認知能力を伸ばしてあげられると良いですね!
非認知能力について勉強になる本は、以下の記事でおすすめを書いているので、こちらもどうぞ!
子どもの非認知能力を伸ばしたい!おすすめの本を紹介します